愛着障害a

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反応性アタッチメント障害(RAD)とは

反応性アタッチメント障害(Reactive Attachment Disorder、略してRAD)は、幼いころに愛着を育む大切な時期に、必要な愛情や安心を得られなかったことで、人との関係を築くのが極端に難しくなる障害です。

ここで言う「愛着」とは、ただ親と仲が良いという意味ではなく、「この人は自分を守ってくれる」「そばにいてくれるから安心できる」という、心の土台のようなつながりを指します。

RADを持つ子どもは、この土台が十分に育たないまま成長するため、「人を信じて頼ることができない」「誰かに甘えるのが怖い」「感情を抑え込んでしまう」などの傾向が強くなります。


なぜ「反応性」という名前なのか?

この障害には「反応性(Reactive)」という言葉がついています。それは、子どもが本来持っている「人に反応する力」「愛されたい気持ち」が、適切に表に出せなくなっていることを意味します。

つまり、反応できないのではなく、反応するのが怖い・危険だと感じているのです。

たとえば、周囲に笑顔を見せることがほとんどなかったり、呼びかけに無反応だったり、誰かに優しくされてもそれを受け取れなかったりします。これらは、子どもが過去の経験から「反応すると傷つく」と学んでしまった結果なのです。


主な特徴と症状

反応性アタッチメント障害の子どもには、以下のような特徴が見られることがあります。

  • 他人との距離を常にとろうとする
  • 感情をあまり表に出さない(泣いたり笑ったりが少ない)
  • 安心した表情やふるまいがほとんど見られない
  • 抱きしめられても緊張してしまう
  • 誰かに慰められても安心できない
  • 強い不安や怒りを抱えているが、それをうまく伝えられない
  • 学校や家庭で「反抗的」「無気力」「冷たい」などと思われやすい

これらの行動は「性格の問題」「わがまま」ではなく、心を守るための無意識の反応であることを、まず理解することがとても大切です。


見た目には分かりにくい「内側の孤独」

RADのある子どもは、見た目には一見「落ち着いている」「手がかからない」「感情が安定している」と思われることもあります。

しかし内側では、「誰かに助けてほしい」「でも信じられない」「裏切られたら怖い」という葛藤を常に抱えていることが多いです。

そのため、人とのやりとりを極力避けたり、反抗的な態度を取ったり、まったく感情を見せなくなるなど、さまざまな形で「自分を守る」行動が現れます。


原因となる背景

RADの発症には、子ども時代の環境が深く関わっています。特に、乳幼児期(生後6か月〜3歳くらい)に次のような経験があると、愛着がうまく形成されず、RADのリスクが高まるとされています。

  • 育児放棄(ネグレクト)や身体的・心理的虐待を受けた
  • 感情のやりとりが乏しい環境で育った
  • 何度も転居や養育者の変更(施設・里親など)を経験した
  • 泣いても反応されず、安心を感じる経験がなかった
  • 親自身も精神的な不安定さを抱えていた

愛着は、「必要なときに誰かがそばにいてくれた」という積み重ねによって育まれます。
それがないまま育つと、「人を信じる」「安心して頼る」といった感覚が育ちにくくなるのです。


他の障害との違い

RADは「人との関わりを避ける」のが主な特徴です。似た症状を持つ障害と比較すると、次のような違いがあります。

  • 脱抑制型対人交流障害(DSED)
     → 見知らぬ人にもすぐ近づいてしまう。RADとは逆の傾向。
  • 自閉スペクトラム症(ASD)
     → 脳の発達に関する特性で、人との関わりが難しい。RADは育った環境が主因。
  • 発達性トラウマ障害
     → 広い意味での愛着障害を含みますが、RADはその中でも特に「反応の乏しさ」に焦点を当てたものです。

診断や支援には、医師や心理士による評価が重要です。


向き合い方・支援のヒント

RADの子どもと関わる際には、表面的な態度に惑わされず、「この子が安心できていないのかもしれない」という視点が必要です。

以下のような関わり方が回復への助けになります:

  • 急に親しくなろうとせず、距離を保ちながら関わる
  • 感情の変化や反応を責めず、受け止める
  • 「感情を出しても大丈夫」「頼っても見捨てられない」と感じられる体験を積み重ねる
  • 変わらず関わり続けること(関係の継続性)が何より大切
  • 周囲の大人が安定していること(怒らず、否定しない)
  • 心理士・医療機関・スクールカウンセラーなどと連携しながら進める

すぐに変化が見えるとは限りませんが、「自分は大切にされている存在だ」と感じられるようになると、少しずつ心がほぐれ、関わりへの反応も変わってきます。


回復は可能です

RADは「治らない」と思われがちですが、決してそうではありません。
安心できる大人との関係を通して、少しずつ「人とつながることは怖くない」という実感を育むことができます。

大切なのは、急がず焦らず、信頼関係を一歩ずつ育てていくことです。
その歩みの中で、閉じていた心が少しずつ開いていく可能性は、誰にでもあります。


まとめ

反応性アタッチメント障害(RAD)は、人とつながることに強い不安や抵抗を感じてしまう障害です。
それは、子ども時代に安心を感じられなかったことが原因で、「誰も信じられない」「頼るのは危ない」と学んでしまった心の反応とも言えます。

けれども、信頼できる関係を少しずつ積み重ねていくことで、「人とのつながりのあたたかさ」や「自分には価値がある」という感覚を、やり直して育てていくことは可能です。

このページが、RADという障害を知り、誰かの理解や支えにつながるきっかけになれば幸いです。

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