うつ病ヒント:プラス思考はうつ病に有効か?

2024年11月23日

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おいで頂き、ありがとうございます。

このページは、うつ病(大うつ病性障害)020201ページの7-1.ヒントのお話しをご案内致します。

病になってからの期間が長い方も是非、ご一読頂ければと思います。ご質問がありましたら、ページ下部からお問合せください。

みなさんと一緒にうつ病を回復しましょう。

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1.はじめに

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このヒントは、うつ病でカウンセリングを受けているAさんの実際の体験記です。Aさんから、皆さんのご参考になればということで

ご協力を頂き、ヒントにさせて頂きました。Aさんのご協力に深く感謝申し上げます。

  

3.Aさんのご紹介

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まず、Aさんについて、ご紹介します。Aさんは40代男性、独身です。うつ病再発して半年が経過したところでした。

Aさんとは、電話カウンセリングが始まってまだ2ヶ月程度でした。暫くは辛いお気持ちをお聞きしている状態が続きました。

カウンセリングにおける次のステップは以下のような方向が可能です。というお話をしました。

  

上記の説明をしているとき、雑談として、自己啓発のノウハウというのは有効なのかという質問がでました。

私は、メンタルの健全度がある程度あるようでしたら可能です。それと、自己啓発ノウハウは心に負荷がかかることもあるので、

辛くなったら途中でストップし、方法を変えることが必要です。との説明しました。

  

Aさんはしばらく考えて、従来の方法でなかなか変化がないことに気持ちが滅入っていたので、チャレンジしたいとおっしゃいました。

その具体的な方法とは

自分のマイナス思考を直すために、書店で販売されている自己啓発系の

プラス思考になれる本を使ってカウンセリングをするという方法です。

もちろん、ある程度の負荷がかかるので、心がつらくなったらストップして従来のカウンセリングにもどす、

というお約束を頂いた上でのチャレンジとなりました。

  

4.取り組み方

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成功本は基本的には何でも良いのですが、Aさんが、これは簡単だと思えるものが良いです。

こういう場合、クライアントさんに選んで頂いたり、私がご提案したりして決めますが、今回はAさんが選択されました。

その本に書いてあることを一つ取り上げて、これができるようになりたいというテーマでスタートします。

  

尚、治療的要素の多いカウンセリングの場合、大金持ちになる、とか大成功するというテーマはできるだけはずします。

目標が大きいと、頑張らなければならない要素が大きくなり、負荷が大きくなるからです。

あくまで、マイナス思考を修正し、プラス思考に近づけることで、メンタルの健全性を育てることが目的のためです。

  

Aさんは、取り組んでみると、その本に書いてあることを実際に実施することがとても難しいことに気が付かれます。

今まで身についてしまったマイナス思考が邪魔をするのです。その一つ一つをプラス思考に転換する作業をしていきます。

とても根気の要る作業です。しかし、丁寧に実施して、自己暗示をかけるように思考の癖を変えていくのです。

この繰り返しをしばらく行うと、少しづつ感覚がつかめてくるようになります。

  

5.成果

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このカウンセリングを初めてしばらくしたころ、なんだか今までと違う手ごたえを感じ始めたことの事です。

  

ところが、Aさんは、あることがきっかけで実家のご両親、ご兄弟と大喧嘩をしてしまい、まだ、時期尚早であるにも関わらず、

仕事先を決めて家を出てしまったのです。もう2度と帰らないと心に決めて。

しかし、仕事はまだ早かったため、とても大変でした。

そんなある日、仕事で失敗が続き、ストレスが溜まって、入院となってしまったのでした。

  

1カ月の入院の後、退院され、すぐにカウンセリングを申し込まれました。

通常、このような場合ですと、クライアントさんがカウンセリング中にずっと、自分を責めて続ける方が多いのです。

  

私は、様子が違うな、と感じ、Aさんに質問しました。

「今回のことで、どのくらいの罪悪感を感じていますか?」

と。しかし、そのお返事は意外なものでした。

  

「それが…不思議なんです。あんまり罪悪感とか、感じてないんです。

それどころか、なんだか、またやり直せばいいや、と吹っ切れたように軽くて…それに…」

と話を続けてくれました。

退院後Aさんは一旦実家にもどったのですが、実家の家族、兄弟の態度が一変しており、今までは同じようなことをすると、

人騒がせと言われて責められたのに、今度ばかりは受け入れてくれたようで、とても理解があったそうです。

更に、職場では、期待して採用した新人さんなのに、どうしてもっと配慮して教育しなかったのだ、と上司の方の呼びかけがあり、

もっと新人さんを大切に育成しようという事になったそうです。

  

いったい何があったのでしょうか。

実は

Aさんはトラブルが発生するまでの間のカウンセリングで、プラス思考で

考えるトレーニングがある程度、コツがわかってきていて、ある程度実践できていたのでした。

これならプラス思考というものが実際の生活に取り入れることができるかも、という期待もあったのです。

プラス思考というのは単に、前向き、やる気、がたくさんあるというだけではだめなのです。

へこたれずに、何度も、角度を変えて良い方法を見つける柔軟性や素直に落ち込む事も大切です。

そして何よりも試行錯誤の上、最終的には良い方法が見つかる、と信じる力が必要になるのです。

  

Aさんも、普段なら、ご自分を責めて責めて、責め抜くのですが、今回は、そのような気持ちがなく、

実家も、職場もいい結果になりました。これは、実は今までのAさんとは違う、価値観が育ってきていて、ご本人に自覚がないまま

  

などが育っていて、周囲の方の心を動かしたようなのです。

  

結果オーライではいけないかもしれないが、今はとっても気持ちがいい。とおっしゃってました。

前向きになると小さな奇跡が起きるといいますが、そうだったのでしょうか。

きっとそうに違いありません。そう思いましょう。それこそ前向きですね。と、いう結論になりました。

 

最後に、私はAさんに、

「何だかもう、半分治ってしまったような感じですね。」

と伝えると

「本当だ、何だかとても爽やかです。こんな気持ち何年も味
 わってなかったです。本当に治るかも、と思えてきました。」

と輝くように応えてくださいました。

    

6.考察

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いかがでしたでしょうか。

今回の件は、偶然が重なってこうなったのかもしれませんし、そうではなく、しっかりと成果が出たのかもしれません。

ここで大切なことは、肯定的に考えるということになります。

ですので、Aさんは

きっと成果がでたのだ。プラス思考のトレーニングをしていて、少しづつ考え方がなじみ、認知の修正ができたのだろう。

と思うことにしたそうです。

  

担当カウンセラーである私も、この結果はとても良かったと思いました。やってみようというAさんの積極さがなければ、

そもそもスタートしてなかった計画でした。

心の回復のパターンは人の数だけある、と言われますが、まさにそのことを思い出させてくれました。

  

  

     

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